ニチモ1/200戦艦大和 艦載機
艦載機の仕様について
戦艦大和には「下駄ばき」と言われる浮船(フロート)付きの水上機が配備されていました。キットには零式水上偵察機(零式3座水偵)と零式水上観測機(零観)それぞれ2機、計4機が付属されています。本作ではキットパーツを組立て、一部自作による改良とエッチングパーツでのディテールアップを施し、零式3座水偵1機と零観2機を艦尾飛行甲板にレイアウトしています。こちらでは艦載機と共に、キット付属の艦載艇についても解説します。
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零式水上偵察機
零式3座水偵は6個のパーツ構成で大変シンプルなものですが、個々のパーツは合いが悪く調整しながら組み上げます。
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風防の窓枠のモールドは伸ばしランナーで補修し、空中線(無線のアンテナ線)の支柱をプラ板で自作し取り付けています。
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プロペラの羽のみ、ゴールドメダルモデルズ「1/200スケール日本海軍 戦艦 大和/武蔵用」のエッチングパーツを使用。キットのパーツを切り貼りしてエッチングパーツを挟み込むようにプロペラスピナーキャップを接着しています。また主翼にあるピトー管をステンレス線を植えて再現しています。
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零式水上観測機
零観は13個のパーツ構成となっています。
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こちらがキットパーツを素組した状態です。
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省略されているフロート支柱をプラ板で自作しています。
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プロペラは零式3座水偵同様エッチングパーツを使用。
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基本塗装
仮組の状態で基本塗装をエアブラシ塗装で進めます。機体下面色の日本海軍機明灰白色(三菱系)を全体に吹きます。主翼前フチに味方識別帯の黄燈色を吹きマスキングをして塗り分け。
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機体上面は日本海軍機暗緑色(三菱系)を黄燈色を混ぜながら退色表現としてグラデーション塗装しています。
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マスキングを剥がせば味方識別帯が塗り分けられています。
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プロペラの表とスピナーキャップはシルバー、プロペラの裏はマホガニーを筆塗りで塗り分けています。
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マーキング
キット付属のデカールを使って機体にマーキングを施しました。
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このデカール、水転写マークではあるのですが、分厚い台紙(転写紙)に対して糊面が上になっていて(水転写スライドマークとは逆になっている。)薄い裏紙(セパレータ)を剥がし水に漬け、模型に貼ってから台紙を剥がす仕様です。
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台紙からマークを剥離させるために水に漬けますが、インタレと同じような転写マークで貼り直しが出来ないもののようです。おまけに古く劣化していましたので慎重に作業をしました。先ず分厚い台紙の紙の層を慎重に剥がし取り、のりしろ部分をハサミでカットしてから水に漬けます。
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マークセッターをたっぷりと塗り、台紙をつけたまま貼り付け位置に密着させ、慎重に台紙を剥がして転写完了。
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劣化でマークに割れが生じましたが、リペイントでなんとか使えそうなレベルです。ダメだった場合は塗装でマーキングも考えていましが、全てのマークを貼り付けました。
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乾燥後にデカールの保護を兼ねて半光沢クリアーを吹いています。
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仕上げ塗装
塗装の剥げをシルバーでドライブラシ塗装を施しました。
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風防をフラットブラックで塗り分け、エナメル塗料で汚し塗装を施しています。
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張り線
零観主翼のX張り線と零式3座水偵の空中線に0.07mmのモデルカステン「 メタルリギング0.15号」を使用。
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零式3座水偵のフロート張り線は0.23mmのステンレスワイヤーを使用。
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最後に半光沢クリアーをトップコートして完成です。
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艦載艇
戦艦大和には複数の艦載艇・カッターが配備されていました。キットには12m内火ランチ、9mライフカッター、27フィート通船が付属していますが、今回は12m内火ランチ2隻と9mライフカッター4隻を使用しています。12m内火ランチはプラ板で少しディテールアップをして仕上げています。
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ボートダビット
9mライフカッターを吊り下げるボートダビットは、キットのパーツの滑車部分のみエッチングパーツに付け替えています。
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グライプバンド(白いタスキ)はプラペーパーを短冊にし、つや消しクリアーを吹いた物で再現。
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ダビットスパンと支索はミディアムリギングを使用。
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ライフラインはメタルリギングを使用しそれらしく仕上げています。
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まとめ
戦艦大和の搭載機は弾着観測用の零式水上観測機(零観)と索敵用の零式水上偵察機(零式三座水偵)でした。当初計画での搭載機数は計6機、一説には格納庫に5機+露天繋止2機の計7機となっていたそうですが、機材、搭乗員の不足により定数一杯の配備は実現しなかったそうです。実際には諸説様々で、本作で再現しているレイテ沖海戦時に大和艦載は4機だと聞いた事があるものの機材詳細については確証を得る事が出来ませんでした。
その上で模型的な見栄えを重視し、零式3座水偵1機と零観1機を艦尾飛行甲板に露天繋止、零観1機を射出機にレイアウトしています。
また大和艦載機の艦識別符号(機番号)についても、2007年に発行された野原茂氏の著書「日本の水上機」(光人社)では大和『241-』武蔵『242-』との記述がある他、筑波海軍航空隊記念館アドバイザー青柳氏の調査では昭和19年の改定で大和『211-』武蔵『212-』とあった、との事ですが諸説あり詳細は不明ですので今回はキット付属のデカール『212-』を使用し「あくまでもそれらしく」仕上げています。
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